2024年4月の一部改良により、GRヤリスは最高出力304PS（224kW）/6,500rpm、最大トルク400N･m（40.8kgf･m）/3,250～4,600rpmへと進化しました。従来の272PSから一気に32PSの向上です。この大幅な出力向上は、世界ラリー選手権（WRC）をはじめとするモータースポーツで得られた知見が市販車へフィードバックされた結果です。

　この304馬力を実現するために、以下の点が強化されました。

・エンジンの主要部品を強化：ピストン材質の変更や排気バルブスプリングの強化など、高出力化に対応するための耐久性向上と効率化を図りました。

・ターボシステムの改良：新構造のターボ制御（アンチラグ制御の導入）により、ターボラグを低減し、アクセル操作に対するレスポンスが大幅に向上しています。（サーキットモード設定時）

・冷却性能と燃料噴射装置の最適化：高出力化に伴う発熱に対応するため冷却性能を向上させ、適切な燃料噴射によりエンジンのパフォーマンスを最大限に引き出しています。

　これらの改良は、モータースポーツの過酷な環境で「常に進化を追求する」トヨタGAZOO Racingの精神が、そのまま市販車に反映された証と言えるでしょう。
 

　304馬力へと進化したGRヤリスは、スポーツカーとしても非常に高い加速性能を誇ります。最大トルク400Nmが3,250～4,600回転という日常的なエンジン回転域から発生するため、一般道での追い越しや合流時でも、その力強い加速力を十分に体感できます。

・低回転からの力強いトルク：日常域からトルクがしっかりと立ち上がるため、街乗りや高速道路での走行もスムーズでパワフルです。

・鋭いアクセルレスポンス：アンチラグ制御により、アクセルを踏み込んだ瞬間にダイレクトな加速を感じられます。

・安定した加速性能：トヨタ独自の電子制御4WDシステム「GR-FOUR」が、どんな路面状況でも最適なトルク配分を行うことで、常に安定した加速と高いコーナリング性能を実現します。

・サーキットでの本領発揮：サーキットモード（スポーツ走行用）を選択すれば、車両の制御がさらに最適化され、クローズドコースでGRヤリスのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。

　GRヤリスは、高い走行性能と燃費性能のバランスも考慮されています。WLTCモード燃費は、8速AT・4WDモデルで10.8km/L、6速MT・4WDモデルで12.4km/Lです。高出力エンジンを搭載しながらも、日常使いにも配慮された燃費性能を実現しています。
 

　GRヤリスは、トヨタが掲げる「もっといいクルマづくり」を象徴するモデルとして、モータースポーツと市販車開発を直結させるという発想から誕生しました。世界ラリー選手権（WRC）への参戦を前提とした「ホモロゲーションモデル」として開発されており、トヨタGAZOO Racingがモータースポーツで培った知見と情熱が、この一台に集約されています。

　WRCやスーパー耐久シリーズなど、極限のレース現場で発生した課題やトラブルを、さらなる性能向上への機会と捉え、プロドライバーとともに細部まで徹底的な改良が続けられてきたことを意味します。トヨタはGRヤリスを通じて、競技で勝つスポーツカーのDNAを市販車に還元し、本気で“世界で戦えるクルマ”づくりを行っています。

　GRヤリスは、愛知県豊田市にある「GRファクトリー」という特別な工場で生産されています。ここは、トヨタが掲げる「もっといいクルマづくり」を体現するために、モータースポーツの知見を市販車にフィードバックすることを目的として立ち上げられました。一般的な量産ラインとは異なり、高い技能を持つ専門の職人が一人、または少人数のチームで、一台一台丁寧にクルマを組み上げています。

　このGRファクトリーの最大の特徴は、市販車でありながら、サーキットで全開走行できるほどの高い精度で製造されていることです。具体的には、通常モデルよりも約800点も多いスポット溶接や、約35mもの構造用接着剤をボディに使用し、極めて高い剛性を実現しています。また、足回り部品の組み付けには、モータースポーツの現場と同じく、水平な床の上で車体を上からかぶせる独自の工法を採用。これにより、わずかな製造誤差も抑え込み、ドライバーの意のままに操れる高い走行性能を生み出しています。

　GRヤリスは、その高性能を支えるために、独自のボディ構造と足まわりを採用しています。

・専用プラットフォーム：一般的なヤリスとは異なり、フロントにGA-Bプラットフォーム、リヤにGA-Cプラットフォームという異なる構造を組み合わせた専用設計を採用。これにより、コンパクトなボディにハイパワーな4WDシステム「GR-FOUR」の搭載が可能となり、高剛性・軽量化と俊敏なハンドリング、優れた路面追従性を両立しています。

・高剛性軽量ボディ：アルミニウム素材をエンジンフード（ボンネット）、バックドアパネル、ドアパネルに加え、CFRP（炭素繊維強化プラスチック）のルーフパネルを採用しています。また、構造用接着剤の使用やスポット溶接の増し打ち（約200点追加）による補強が施されており、曲げ剛性や捻り剛性を大幅に高めることで、WRCマシン譲りのタフさを実現しています。

・足まわりとサスペンション：
フロント：軽量かつ高剛性のマクファーソンストラット式を採用し、路面からの入力を的確に受け止めます。
リヤ：応答性とグリップ力を追求したダブルウィッシュボーン式を採用し、高い接地性を確保します。
専用セッティング：ピロボールジョイント（高精度な球面軸受）の採用や、サーキット走行からラリーまで対応できるしなやかな足まわりが特長です。
 

　GRヤリスには、モータースポーツの現場で磨き上げられた専用技術が多数投入されています。

・GR-FOURアクティブトルクスプリット4WD：トヨタ独自の電子制御4WDシステムで、駆動トルクを前後輪間で細かく可変させることができます。NORMAL（前60:後40）、TRACK（前60:後30 ～ 前40:後70）、GRAVEL（前53:後47）など複数のモードがあり、これによりあらゆる路面でドライバーの意図に忠実な制御と、高いトラクション（駆動力）を実現します。

・G16E-GTSエンジン＆GR-DAT：1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンは、軽量コンパクトながら304PS/400Nmという高出力を発揮します。モータースポーツでの使用を前提とした耐久強化とレスポンス重視の設計が特長です。トランスミッションは、新開発の8速AT「GR-DAT」と、ダイレクトな操作が楽しめる6速iMT（インテリジェントマニュアルトランスミッション）をラインアップし、多様なニーズに対応します。

・ボディエアロ＆冷却パーツ：大型ロアグリルや、補修性を考慮した分割バンパー、空力性能を追求したリヤスポイラーやディフューザーなど、実戦からのフィードバックを取り入れた外板・エアロパーツが随所に装備されています。これにより、走行時の安定性と冷却性能を向上させています。

・サスペンション・LSD・制御：WRC出場用車両の技術が投入された専用サスペンションジオメトリーが採用されています。また、トルセンLSD（リミテッドスリップデフ：左右輪の回転差を抑制し、効率よく駆動力を路面に伝える装置）を前後輪に搭載（一部グレード）し、高強度クラッチデバイスなどと組み合わせることで、サーキットから未舗装路まで、幅広い路面で高いグリップ力と安定した走行性能を発揮します。

・EXPERTモード付VSCや独自制御：自らの運転テクニックでサーキット走行を楽しむモードです。車両安定性制御システム（VSC）には、ドライバーの意図に応じてアシスト介入の優先度を変更できるEXPERTモードなど、電子制御の幅広いカスタマイズが可能です。これにより、より高度なドライビングが楽しめます。

　このように、GRヤリスは「世界ラリー選手権で勝つために生まれ、その経験を余すことなく市販車に投入したホモロゲーションスポーツ」です。軽量高剛性ボディ、高度な4WD、そして1.6Lで304馬力を発揮する専用エンジンなど、モータースポーツ直系の技術と思想が全方位で体現されています。その技術は単なるスペックだけでなく、「走りを鍛える・常に進化のために検証する」現場主義から生まれており、WRCや耐久レース参戦を通じて日々アップデートされているのが最大の魅力です。

　すべてのグレードで、高性能1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジン（304PS/400N･m）と、フルタイム4WDシステム「GR-FOUR」を搭載しています。これにより、どのグレードを選んでもGRヤリスならではのパワフルな走りを体感できます。
 

RC（モータースポーツベース／エントリーモデル）
　RCグレードは、サーキットやラリーなどの競技参戦を目的としたベースグレードです。そのため、車両重量を抑え、ユーザーが自由にカスタムできるよう、ディスプレイオーディオやエアコンなどの快適装備は最小限に抑えられています。

主な特長：フロントに16インチスリット入りベンチレーテッドディスクブレーキを採用し、専用セッティングの足まわりはダート競技での使用を想定したチューニングが施されています。

おすすめユーザー：カスタムしてレースに参加したい方に最適な一台です。


RZ（バランス型・快適性と走り重視）
　RZグレードは、RCグレードと同等のエンジン性能を持ちながら、日常使いでの快適性を高めたバランスの取れたモデルです。ディスプレイオーディオやマニュアルエアコン、運転支援装備が充実しており、街乗りからスポーツ走行まで幅広く対応できます。

主な特長：オプションでJBLサウンドシステム、シートヒーター、ステアリングヒーターなどを含む「コンフォートパッケージ」も選択可能です。

おすすめユーザー：普段使いとスポーツ走行を両立させたい方、快適性も重視したい方に適しています。


RZ “High performance”（最上位・限界性能仕様）
　RZ“High performance”は、RZグレードの装備をベースに、さらに走行性能を極限まで高めた最上位モデルです。

主な特長：
・冷却スプレー機能付き空冷インタークーラーを標準装備し、エンジンの冷却性能を強化しています。
・前後トルセンLSD（リミテッドスリップデフ）を標準装備し、より効率的なトラクションとコーナリング性能を実現します。
・BBS製18インチ鍛造アルミホイールと、高性能タイヤであるミシュランPilot Sport 4Sを装着し、卓越したグリップ力とハンドリングを提供します。

おすすめユーザー： 本格的なスポーツドライビングを追求したい方、サーキットでGRヤリスのポテンシャルを最大限に引き出したい方に最適な一台です。

　GRヤリスは、ドライバーの好みに合わせて2種類のトランスミッションから選択できます。
 

　8速AT（GR-DAT）は、2024年4月の一部改良で新設定されたユニットです。サーキットでの素早い変速レスポンスに対応するために新開発されており、マニュアル車のようなダイレクトな加速感とスムーズなシフトチェンジを両立しています。

　GRヤリスを購入する際は、あなたの使い方（競技参戦、日常使い、サーキット走行など）や予算、快適装備や専用装備へのこだわりを踏まえ、最適なグレードとトランスミッションを選ぶことが大切です。

　WLTCモード燃費は以下のとおりです。
　・6速MTモデル：12.4km/L
　・8速ATモデル：10.8km/L

　GRヤリスの燃料タンク容量は50Lなので、理論上の航続距離は6速MTモデルで約620km、8速ATモデルで約540kmとなります。高出力エンジンを搭載しながらも、日常使いにも配慮された燃費性能を実現しています。

　GRヤリスは、そのスポーツ性能の高さから、日常使いが難しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、実は日常シーンでも十分に対応できる実用性を備えています。

街乗り・通勤：1.6L直列3気筒インタークーラーターボエンジンは、304PS/400N･mという高出力を発揮しつつも、低速域から十分なトルクがあるので、街中での発進や加減速もスムーズで扱いやすいです。エンストの心配も少なく、過度な燃費悪化も起こりにくい設計です。

居住性と積載性：4人乗りで、荷室容量は一般的なヤリスと同等ですが、後席とトランクスペースはスポーツモデルの特性上、ややタイトに感じるかもしれません。

スポーツ走行：電子制御4WDシステム「GR-FOUR」や高剛性サスペンションにより、サーキットやワインディングロードでも安定したハンドリングを実現します。サーキットモードやVSC（車両安定性制御システム）のEXPERTモードなど、スポーツ走行に特化した制御も楽しめるため、サーキット等でGRヤリスのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。

　GRヤリスは、高い走行性能を持つスポーツモデルでありながら、維持費の面でも優れたコストパフォーマンスを発揮します。
 
　GRヤリスは、その卓越した走行性能に対し、同クラスのスポーツカーと比較しても良好な維持費と言えるでしょう。街乗り主体か、サーキット走行を頻繁に行うかなど、乗り方によってコスト感は変わります。しかし、高水準の走行性能と日常での使いやすさ、そして納得の維持費を両立している点は、GRヤリスが持つ大きな魅力です。

　GRヤリスの購入では、グレードとトランスミッションの選択が特に重要です。

競技やカスタムを重視するならRC：RCグレードは、快適装備が最小限に抑えられているため、車両重量が軽く、パーツを組み込んでモータースポーツに参戦したり、徹底的に軽量化を進めたりしたい方に最適です。

日常使いとスポーツ走行を両立するならRZ：RZグレードは、ディスプレイオーディオやエアコン、先進安全装備といった日常での快適性や利便性を高める装備が標準で充実しているバランスの取れたモデルです。スポーツ性能を楽しみながらも、普段の通勤や街乗りでの使いやすさを重視する方に最適な選択肢です。

走りと装備の最上級体験を求めるならRZ “High performance”：RZ “High performance”は、冷却スプレー機能付きインタークーラー、前後トルセンLSD、高性能タイヤなどの専用装備が標準で備わっています。GRヤリスの持つ限界性能を存分に体感したい方や、装備にもこだわりたいヘビーユーザーにおすすめです。

GRヤリスは、走りだけでなく、オーナーの個性を反映できるカスタマイズ性の高さも魅力です。

注目の純正オプション
ディスプレイオーディオ（コネクティッドナビ対応）Plus：パッケージオプションで、標準のディスプレイオーディオからコネクティッドナビ対応Plusへ変更できます。通信機能を利用した最新の地図情報やリアルタイムの交通情報に基づくルート案内が可能です。さらに、臨場感あふれるサウンドを楽しめるJBLプレミアムサウンドシステム（8スピーカー）もセットで装備されます。

先進安全装備「Toyota Safety Sense」：全車に標準装備されており、普段使いでも安心して運転できます。

アフターパーツ・ドレスアップ
・上位グレードに標準装備されているBBS製鍛造アルミホイールやミシュランPilot Sportなどの高性能タイヤは、アフターパーツとしても注目されます。

・シートヒーターやJBLプレミアムサウンドシステム（パッケージオプション）など、快適性を高めるオプションも多数用意されています。

　GRヤリスは、2024年4月の一部改良で、「スポーツドライビングの質感の向上」「装備の充実」「多様なユーザー層への拡大」がより顕著になりました。“どんな走り方をしたいか”を明確にして選ぶことが、購入満足度を高めるポイントです。

A1：はい、可能です。2024年4月の一部改良で新たに設定された8速AT（GR-DAT）搭載モデルを選べば、AT限定免許の方でもGRヤリスの走りをお楽しみいただけます。

A2：はい、十分に適しています。GRヤリスは、304馬力という高性能ながら、街中での取り回しやすさや、低回転域から発生する豊富なトルクにより、スムーズな走行が可能です。コンパクトなボディサイズと、WLTCモードで10.8km/L（8速AT）〜12.4km/L（6速MT）という燃費性能も、日常使いに配慮されています。ただし、後席やトランクスペースはスポーツモデルの特性上、ややタイトな設計です。

A3：年間でかかる主な維持費としては、自動車税（1.5L超～2.0L以下の区分で年額36,000円）があります。燃料費は年間1万km走行、ハイオクガソリン185円/L換算で約15～17万円が目安です。高性能タイヤの交換費用は高めになる傾向がありますが、同クラスのスポーツカーと比較すると、GRヤリスは優れた走行性能と経済性のバランスを両立していると言えるでしょう。

A4：はい、ウエインズトヨタ神奈川ではGRヤリスの試乗車をご用意しております。実際に運転していただくことで、304馬力の走りや、GR-FOURの安定性、各グレードの特性を体感していただけます。試乗をご希望の際は、事前に店舗までお問い合わせいただくことをおすすめします。

　ウエインズトヨタ神奈川は、トヨタの正規ディーラーとして、GRヤリスに関する専門知識と豊富な実績でお客様をサポートいたします。
 

GR専門スタッフが常駐するGR Garage：ウエインズトヨタ神奈川には、GRのブランド拠点であるGR Garage トレッサ横浜があり、GRヤリスの特性を熟知した専門スタッフがお客様の疑問や不安を解消し、最適な一台選びをお手伝いします。

地域密着の安心感：神奈川県内に広がるネットワークで、お客様のカーライフに寄り添ったきめ細やかなサポートを提供しています。

充実したアフターサービス：購入後のメンテナンスや車検、急なトラブルまで、トヨタ正規ディーラーならではの高品質なサービスで長く安心してお乗りいただけます。

　実際に車両をご覧になったり、ご試乗いただいたりすることで、GRヤリスの魅力をより深くご理解いただけます。304馬力の加速性能、洗練されたハンドリング、そしてモータースポーツ直系の技術を、ぜひご自身の五感でお確かめください。

　GRヤリスにご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にウエインズトヨタ神奈川までお問い合わせください。お客様のご来店を心よりお待ちしております。