ハリアーPHEVとハイブリッド（HEV）は、見た目は似ていますが、中身のシステム構成や走行性能は大きく異なります。特に、バッテリー容量やモーター出力といった違いが、実際の走りの質感や力強さに影響を与えます。トヨタ自動車の公式情報を基に、両モデルのシステムと走行性能を分かりやすく解説します。

　両モデルの走りの違いは、モーターとエンジンの出力差に起因します。
  ※上記数値は、2025年6月改良モデルのトヨタ公式データに基づいています。

　PHEVはハイブリッドよりもシステム最高出力が約84PSも高く、圧倒的な加速感と力強さが特長です。特に、モーターの瞬発力は高速道路への合流や坂道での追い越しなど、余裕のある走りを実現します。

ハリアーハイブリッド
・モーターアシスト付きで発進から十分なトルクを発揮し、日常域では非常に静かで軽快です。
・車重が軽いため、キビキビとしたハンドリングとコーナリング時の軽快感があります。
・急加速などでエンジン回転が上がる場面では、内燃機の存在をやや感じやすいものの、クラス水準以上の静粛性を実現しています。

ハリアーPHEV
・EV走行時はエンジンが始動しないため、街中や住宅街では非常に静かに走行できます。
・圧倒的なモーター出力による滑らかな加速と、無音からの力強い立ち上がりが魅力です。
・車重はハイブリッドより約200kg重いものの、その分どっしりとした安定感と重厚感のある乗り心地を提供します。
・専用のサスペンションチューニングにより、荒れた路面でも「しっとりとしたフラット感」が強調されており、高級SUVにふさわしい乗り味です。

　トヨタ自動車が公表している公式データ（WLTCモード）は以下のとおりです。

ハリアーハイブリッド （Zの場合） 
・燃費（2WD）：22.4km/L
・燃費（E-Four）：21.7km/L

ハリアーPHEV （Zの場合） 
・ハイブリッド走行時の燃費：20.5km/L
・EV走行換算距離（満充電時）：93km
・電費：160Wh/km

　PHEVのEV走行換算距離93kmは、一般的な通勤距離（片道15～20km）であれば、往復をほぼ電気だけで走行できる計算になります。これにより、ガソリン消費を大幅に抑え、日々のランニングコストを削減できる可能性があります。

　カタログ値はあくまで目安であり、実際の燃費や電費は運転の仕方やエアコンの使用状況によって変動します。

ハリアーPHEV
・毎日こまめに充電し、EV走行を最大限に活用すれば、ガソリン消費はごくわずかです。自宅に充電設備があり、短距離移動が中心の方にとっては、非常に経済的な選択肢となります。
・ただし、外部充電せずにハイブリッド車として使用した場合の燃費は20.5km/Lとなり、ハイブリッド車よりわずかに低い数値です。

ハリアーハイブリッド
・充電作業が不要なため、給油だけで長距離ドライブも快適にこなせます。
・PHEVと比較すると、市街地でのストップ＆ゴーが多い状況や、寒い時期の短距離走行では燃費が低下する傾向にあります。

　長距離ドライブをする際に重要なのが、給油・充電なしでどれだけ走れるかという「航続距離」です。

ハリアーPHEV
・燃料タンクは55L。ガソリン走行燃費を20.5km/Lとした場合、ガソリンのみで約1,127km（55L×20.5km）走行可能です。
・これにEV走行換算距離の93kmを足すと、合計航続距離は約1,220kmに達します。

ハリアーハイブリッド
・燃料タンクはPHEVと同じ55L。
・2WDの場合：22.4km/L×55L＝約1,232km
・4WDの場合：21.7km/L×55L＝約1,193km

　満充電・満タンの状態であれば、どちらのモデルも約1,200kmという優れた航続距離を誇ります。しかし、その内訳は大きく異なり、PHEVは「電気＋ガソリン」、ハイブリッドは「ガソリン」が主体となります。

ハリアーPHEV
・専用のフロントグリルを採用し、精悍で力強い印象のフロントマスクです。
・艶あり黒塗装やスモークメッキの専用アクセントパーツが随所に施され、プレミアムでスポーティな印象を際立たせます。
・PHEV専用エンブレムや限定ボディカラーが設定されており、一目で違いがわかる特別感を演出します。

ハリアーハイブリッド
・PHEVと共通の流麗なクーペシルエットを持ちながら、グリルやバンパーのデザインが異なり、落ち着きと高級感を重視した外観です。
・豊富なボディカラー展開があり、上級グレード「Z “Leather Package”」では、さらに質感を高める専用エクステリア装備も選択可能です。

ハリアーPHEV
・インテリアカラーはブラックとレッドの専用コンビネーションを設定し、スポーティかつプレミアムな雰囲気を醸し出します。
・ダークレッドの専用ステッチが施された本革シートなど、細部にまでこだわった特別仕様です。
・JBLプレミアムサウンドシステム、カラーヘッドアップディスプレイ、12.3インチTFTメーターなど、クラス上位の快適・先進装備が標準で充実しています。（JBLプレミアムサウンドシステム、カラーヘッドアップディスプレイはZに標準装備）
・アウトドアや災害時にも役立つAC100V/1500Wコンセントが全グレードに標準装備されています。PHEVならではの機能として、バッテリーに蓄えた電力のみで給電する「EV給電モード」があり、エンジンをかけることなく静かに電力供給が可能です。

ハリアーハイブリッド
・シート表皮はグレードによって本革（Z “Leather Package”）やファブリック＋合成皮革が設定され、インテリアカラーもブラック、ブラウン、グレーと選択肢が豊富です。
・パネル加飾やステッチ色もグレードごとに異なり、自分好みの内装を選べます。
・ハリアーのハイブリッドモデルにも、AC100V/1500Wコンセントが全グレードに標準装備されています。エンジンを始動させて発電しながら給電する「HV給電モード」により、万が一の災害時にも心強い電力供給が可能です。

ハリアーPHEV
・2025年6月改良モデルでは、従来の「Z」グレードに加えて、新たに「G」グレードが追加されました。
・グレードは「G PHEV」「Z PHEV」の2種類で、どちらも駆動方式はE-Four（電気式4WD）のみです。

ハリアーハイブリッド
・「G」「Z」「Z “Leather Package”」の3グレードが設定されており、それぞれに2WDとE-Four（4WD）の選択肢があります。

※価格は2025年6月マイナーチェンジ時点のものです。

　PHEVはハイブリッドに比べて車両本体価格が高くなりますが、国や地方自治体から支給される補助金を利用することで、実質的な購入価格を抑えることができます。例えば、Z PHEVの場合、補助金を適用すると約560万円程度まで抑えられる可能性があります（補助金額は年度や自治体によって変動します）。
引用：[ハリアー｜エコカー対象グレード],[次世代自動車振興センター]

経済性を重視し、充電環境が整っている方
・自宅に充電設備があり、日常の通勤や買い物（片道40km以内）を電気だけで済ませたい方。
・ガソリン代を大幅に節約でき、高い経済性を実感できます。

力強い走りを追求したい方
・システム最高出力306PSの圧倒的な加速性能を味わいたい方。
・EVならではの静かで滑らかな走りと、スポーティな走りを楽しみたい方。

特別な装備やデザインを求める方
・PHEV専用のフロントグリルや内装、充実した先進装備に魅力を感じる方。

静粛性を重視して給電したい方
・PHEVは、エンジンをかけずにバッテリーの電力だけで給電できる「EV給電モード」を備えています。夜間の静かな環境で電力を使いたい場合などに強みを発揮します。

手軽に電動車のメリットを享受したい方
・充電の手間をかけず、給油だけで気軽に電動車に乗りたい方。
・長距離ドライブが多く、優れた燃費性能と長い航続距離を重視する方。

軽快な走りや乗り心地を重視する方
・PHEVより車重が軽いため、キビキビとした軽快な走りを好む方。
・街中での取り回しやすさも魅力です。

豊富な選択肢の中から選びたい方
・グレードや駆動方式、ボディ・内装色など、自分好みの仕様を細かく選びたい方。

　ウエインズトヨタ神奈川では、ハリアーのPHEVモデル、ハイブリッドモデルの試乗車を豊富にご用意しています。実際にハンドルを握り、乗り心地や加速感、静粛性の違いを体感することで、あなたの理想の一台がきっと見つかります。実車を前に専門スタッフがお客様の疑問にお答えすることで、より安心してご検討いただけます。

　ハリアーのPHEVとハイブリッドは、それぞれに異なる魅力があるため、お客様のカーライフに合わせた選択が重要です。当社のスタッフは、両モデルの特性を熟知しており、お客様のライフスタイルやご予算、使い方に合わせて、最適なモデル選びをサポートします。充電設備のご相談や、補助金制度のご案内もお任せください。

　クルマは購入して終わりではありません。ウエインズトヨタ神奈川は、トヨタ正規ディーラーとして、購入後のメンテナンスや車検、修理に至るまで、お客様のカーライフをトータルでサポートします。神奈川県内に広がる店舗ネットワークで、いつでも安心してご相談いただける体制を整えています。長く、快適にハリアーにお乗りいただくために、私たちにお任せください。